グラフィックデザイナーの桑原です。
よく行くそば屋の入口には暖簾が掛かっています。
暖簾は屋号や家紋などが染め抜かれていることが多いです。
元々は直接風や光が入るのを防いだり、
寒さよけとして取り付けられたのが始まりと考えられているそうです。
また、暖簾は営業中の目安とされることもあります。
戦前戦後の屋台・飯屋などの店では、客が出て行く時に
食事をつまんで汚れた手先を暖簾で拭いていくという事もあり、
「暖簾が汚れているほど繁盛している店」という目安にもなっていたそうです。
さて、このそば屋の暖簾、店名の真ん中の文字が半分切れています。
めくれているわけではなく、チョキンと切られているのです。
何か、縁起を担ぐとか、意味があるに違いないと思い、
店主に聞いてみました。
すると、店主からの答えは、お客さんが暖簾をくぐる時に邪魔だから切ったと。
ちょっと拍子抜けしましたが、いや、それだけお客様のことを考えていると思い、
やっぱりいい店だなぁ、と思ったりしました。
店名の1文字を半分切ってしまうって、中々出来ないことですよね。
2014年6月23日 | スタッフ: