事業承継の「壁」を乗り越える。先代の想いと後継者のビジョンを繋ぐデザイン【第2回(全4回)】
2026/06/03

本シリーズ【経営価値の可視化・事業承継編】では、強みの棚卸しから、承継の対話設計、金融機関・取引先への信頼の伝え方、そして10年後の未来像づくりまでを、全4回に分けて、デザインの視点でわかりやすく解説します。
第1回目「事業承継の成否は「見えない資産」の棚卸しで決まる」はこちら
事業承継が「税金や株式の手続き」だけでうまくいかないのはなぜ?
事業承継でつまずく原因は、税務や株式だけではありません。
むしろ大きいのは「見えない壁」――先代の想いが言葉にならず、後継者の未来像も共有されないまま、社内外が不安になることです。現場は「結局どっちのやり方?」と迷い、取引先は変化を警戒します。
先代の「想い」と後継者の「未来像」はどうすればすり合わせられるのか
そこで役立つのが、中小企業庁も推奨する「経営デザインシート」(※1)や「知的資産経営」(※2)の考え方。
技術・人材・仕組み・信頼といった強みを棚卸しし、現在→未来→そこへ至る道筋を一枚に整理します。私たちはこれを“書類づくり”ではなく“対話の設計”として扱い、暗黙知を共通言語に変えます。
※1、画像/出所:内閣官房 経営をデザインする https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/titeki2/keiei_design/index.html※2/出所:経済産業省 https://www.meti.go.jp/policy/intellectual_assets/index.html
「守るべき核心(魂)」と「変えるべき様式(進化)」を可視化する
ここで最も重要なのは、「守るべき核心」と「変えるべき様式」を明確に可視化することです。
「何がこの会社の魂であり、何が時代の要請に応じた進化なのか」を定義することで、先代から後継者へ、そして社員へと迷いのないバトンが渡されます。この「変わらない安心感」と「変わるワクワク感」の両立が、組織が再び一つにまとまる指針となるのです。
新しい会社の方針を、社員や取引先に迷いなく伝えるには
私たちはこの一貫した指針を、スライドやWeb、会社案内などの具体的なアウトプットへ展開し、社内外のコミュニケーションを一本化します。
結果として、金融機関やパートナーにも「次の会社像」が解像度高く伝わり、強力な安心材料になります。
次回は信頼の見せ方を扱います。
承継のタイミングこそ、想いと方針を“共通言語”にするチャンスです。
シリーズ記事紹介
デザインエイエムについて
デザインエイエムは、
・事業や想いの整理
・強みや価値の言語化
・デザインを通じた社内外への伝え方の設計
といった領域を中心に、企業の取組みを支援しています。
まだ課題がはっきりしていなくても問題ありません。
「今の伝え方でいいのか分からない」「何から手をつけるべきか迷っている」
そんな段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。
経営デザインシート/知的資産の整理や、ワークショップ設計も支援しています。
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【Texted by】
村上 敦子(取締役 /プロデューサー・経営アドバイザー)
創立メンバーで異業種からの転身、ITとマーケティングのバックグラウンドがある。主な業務範囲は、クライアントのプロジェクト管理とビジネスの創造、そして社内では経営面、人事総務。
ビジネススクール(専門性大学院)では「中小企業の持続可能な経営」に焦点を当てて研究。
2023年9月、中央大学大学院MBA(経営学修士) 事業承継アドバイザー取得
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