経営を強くするためのDESIGNAM MAGAZINE(デザインエイエムマガジン)

SDGsをもっと身近に!三富今昔村見学レポート

2021/12/14

持続可能な開発目標、SDGs。
みなさんも最近よく耳にすると思います。

世界規模でより良い社会にしていきましょうと銘打った17の目標…というのはなんとなく知っていても、具体的にどういうことをしていけば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

デザインエイエムでは、社内のSDGsへの意識を高めていこうと、SDGs17の目標すべてを達成している!という石坂産業株式会社の三富今昔村に社会科見学に行って参りました。

渋谷から車で1時間半弱。
住宅街を超え、田畑を抜けて、木々に囲まれた駐車場に産業廃棄物を荷台に乗せたトラックが往来する様子が見えてきたら、三富今昔村です。

まず案内されたのは「くぬぎのもり環境塾」というちいさな講義室。
ここでSDGsの勉強と、石坂産業株式会社のビジョンを伺います。

環境を守るために里山の暮らしを伝える「三富今昔村 語りべ館」の中の「くぬぎのもり環境塾」へ!
パンフレットと見学者用のパスをいただきます。

ダイオキシン対策を万全にしていたにもかかわらず、時代の流れから風評被害に翻弄されてきた石坂産業株式会社。
環境問題と地域社会との共生に正面から向き合い取り組みを続け、1万トンのゴミに埋もれた土地を希少植物も生息する豊かな里山に生まれ変わらせた現在までのお話や、今後のビジョンも含め伺いました。

国内そして世界の産業廃棄物リサイクル率についても学びます。
産業廃棄物が意外にも我々の身近にせまるゴミの問題だと、考えさせられます。

お話の中で、特に印象的だったのはSDGsのNo.12「つくる責任、つかう責任」に着目し、更に「すてる責任」まで考えて徹底的にリサイクルをするという企業姿勢。
石坂産業株式会社では、持ち込まれた産業廃棄物の98%が再資源化されるとのこと。驚きです。

さらに、ここで出していただいた狭山茶がとても香り高くて驚いたのはもとより、なんと湯呑もリサイクルされたもの。陶磁器がリサイクルできるなんて初めて知りました。真っ白で可愛らしい形からは想像できません。

美味しいお茶と講義をうけ、SDGsの取り組みがすこしわかってきたところで、いざ工場見学へ。

石坂産業株式会社が地域へ、そして地球への取り組みを学びます。
三富今昔村のロゴマークがかわいいですね。底にはしっかりとエコマークが。

地域への防音・粉塵対策を考慮され、作業場は屋内。
騒音は開いた扉のすぐそばまで行かなければ気にならず、外からみてもごみ処理施設だなんて想像もできないほどです。

順路にそって産業廃棄に関する豆知識のボードが。
防音対策として設置されている緑化壁。里山の草花に彩られています。

随所で作業中の職員方の様子を見学しながら、作業内容の説明うけ進みます。
大きなブロック塀が最後は砂のように細かくなる様子は、大人でも感嘆の声が上がります。

こんな間近で重機をみられる体験、大人こそないですよね。
大迫力の作業工程に見学者一行からは思わずおお〜という声も。
取り壊された住居の家具や柱などの木材の山。産業廃棄物って意外と身近なんだと感じさせられます。
選別され再利用された製品のサンプルも多数展示されています。
再資源化されたブロック塀などのコンクリート。
敷地内の歩道にも使用されてました。サクサクとした足音が軽やかで心地いい。
柱や天井だった大きな木材が粉砕され、中に紛れた金属が選別される様子。
人間とロボットが一緒に最終選別作業を行います。手際の良さに圧巻です。

様々な工程を経て選別されますが、最後は手作業!
98%の再資源化を実現するため、徹底的な姿勢が伺えました。

充分に工場見学で感動した後は、里山見学です。
本当にごみ処理施設の隣ですか?と疑いたくなるような豊かな緑に覆われた広場が広がっていました。

里山再生に対しても、再生資材を活用するだけでなく木々や植物の成長にあわせて、必要に応じた伐採することも含め取り組んでいるそう。

施設内にはなんと養鶏場まで。生き生きと歩き回る姿がたくましいです。平飼いの卵は施設内のレストランの食事に使用されています。
SDGsやフェアトレードに取り組まれている商品を扱う売店も!日用品からお土産にまで様々な品揃え。

最後に、お土産に頂いた絵馬と通常破棄されてしまう里芋の親芋を使った「もったいないパウンドケーキ」。しっとり食感がやみつきでした。恥ずかしながら里芋が生産の過程で親芋が廃棄されることをしらず…こんなに活用できるのに!と驚きました。

休日は広場の周囲を機関車が動くそうで、家族連れにも人気なのだとか。
流通する「子芋」のために破棄される「親芋」を再利用したパウンドケーキと、施設内にあるしあわせ神社の絵馬もいただきました。

今回の見学会を経て、SDGsについて「なんとなく知ってる」程度でしかなかった自分が恥ずかしいな。と痛感しました。
17の目標をあらためて読み返し、意外と身近な問題ではあるにも関わらず、知らないこと、知ろうとしなかったことが多く反省とともに学びの意欲が湧きました。

何よりも、働くみなさんのお顔が生き生きと輝いている様子が素敵で、行く先々で明るく声をかけてくださり、仕事への誇りを感じました。働きがいのある仕事もSDGsの取り組みですね。

カフェテリアやテイクアウトのベーカリーも。
レストランでは、敷地内で採れた野菜や卵を使った食事がいただけます。

半日コースでもたっぷり魅力を教わりましたが、1日コースでは里山散策もできるそうです!
環境問題だけでなく、フェアトレードや働きがいの話など、SDGsがとても身近に感じられる時間でした。
家族で、友人同士で、そして大人こそ。三富今昔村の社会科見学、いかがでしょうか。

見学会参加スタッフの感想

今回で3度目でしたが初めて訪れた時から、全てが感動です。
環境問題から住民運動が起こり地域に喜ばれる企業へと取り組まれたこと、企業理念が社員の方々に浸透し、イキイキと働かれていること。考え方次第でこんなにも愛される企業へと変化できるというのは刺激でした。そして広大な三富今昔村は、公園、森、畑、神社他さまざまな施設と工夫されており最高のリフレッシュの場所です!(ディレクター M)

三富今昔村の至るところに、またスタッフの皆さんのあらゆる行動に、石坂産業さんの考え方が反映されていました。何を大切にしていくか、逆に何はやらないのか。志に基づいて一貫した活動や表現は、こんなにも印象深く心に残るものなのか、と実感しました。(ディレクター K)

ゼロウェイストの実現のために徹底的な分別を行うこと、分別したものから生み出すアップサイクル商品、周辺住人・環境に対しての配慮や取り組みなど…石坂産業さんの一貫した企業姿勢があらゆるところに表れていることを感じられた見学会でした。また、環境問題は個人としても意識を変えていきたい問題です。(ディレクター O)

自然に囲まれた工場へ実際に訪れてみると、屋外では音や匂いもしないことにまず驚きました。
地球環境という大きな存在だけでなく、すぐ目の前の地域に対しても真摯に向き合って配慮されている姿勢にとても感銘を受けると同時に、自身の環境や地域に対する意識も変えていかなければと強く感じました。(デザイナー N)

「分別」という観点からできることを考えるという、環境問題への価値観がアップデートされた体験はもちろんのこと、見学後に里山を散策していた際も、スタッフのみなさんが積極的に声をかけてくださり、様々なことを教わりました。
どなたも丁寧で明るい方ばかりで、誇らしげに働いてる様にも見えたのが印象的でした。(スタッフ Y)

里山再生は環境問題の課題の一つですが、産業廃棄物をリサイクルする会社が牽引し地域に還元される流れが敷地内に見事に体現されており、目から鱗の連続でした。前向きなスタッフの姿勢、土の匂いと心地よい自然の風、リサイクルされた金属が排出される際の心地良い音もとても印象的で、身近な3Rを改めて意識するとともに、また訪れたいと思わせる場所でした。(スタッフ O)

リンク

石坂産業株式会社 三富今昔村 公式WEBサイト

本メディアは、デザインが経営課題を解決する手段であることを経営者の方へ広く知っていただきたいという思いのもと、情報発信を行っています。
更新情報や成果事例を受け取りたい方は、ぜひ以下よりメルマガにご登録ください!

    *は必須項目です。

    会社名*
    氏名*
    メールアドレス*

    ※当社プライバシーポリシーにご同意の上、送信願います。
    ※ご入力された内容を再度ご確認の上、送信ボタンを押してください。


    お問い合わせは、お電話でもお受けしております。
    (TEL 03-5465-1008)

    RECOMMEND 経営者やご担当者におすすめ

    おすすめの関連記事

    【STAFF VOICE】ブランディングと経営はイコール関係。デザインで成長を後押しできる会社に。 2024/04/26 サウナ東京さまのロゴができるまで 2023/04/26 ひとつのロゴが出来るまで 2021/03/26 ブランディングコンサルの裏側 2022/06/29 【ロゴ(6/5)の日】デザインエイエムのロゴ解剖 2023/06/05

    記事一覧

    経営を強くするためのDESIGNAM MAGAZINE(デザインエイエムマガジン)

    多くの経営課題は「デザイン」が解決の糸口となることがあります。しかしデザインが何かわからない、どのように活用して良いのかわからない...そんな経営者が多くいることも事実。そんな経営者の頼れる右腕となり「アカルイミライ(AM)」へ向かうため、経営とブランディングデザインを結ぶ情報をDESIGNAM MAGAZINE(デザインエイエムマガジン)で発信しています。経営を強くするヒントとして、少しでもお役に立てれば幸いです。