中小企業のデザイン経営、はじめの一歩「入り口の考え方」
2021/11/23
「中小企業のデザイン経営、はじめの一歩」シリーズとして、
前回は「そもそもデザイン経営とは?」というテーマでお送りしました。
今回以降は、特許庁から公開された「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」(2021年6月30日)に基づき、デザイン経営の入り口についてまとめていきます。
中小企業「デザイン経営」の入り口
「デザイン経営の大切さは分かったけど…
具体的に何から始めればよいのか?」
当社にもよくいただくご質問です。
「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」の中では、
デザイン経営を「人格形成・文化醸成・価値創造」の3つのフレームで整理し、さらに9つの要素に分解しています。
これは特許庁が、既にデザイン経営に取り組み、
一定の成果をあげている中小企業に対して行った調査を元に、中小企業のデザイン経営の要素を整理したものだそうです。
特徴は、「意思と情熱をもつ」「歴史や強みを棚卸しする」「未来を妄想する」といった「人格形成」にまつわる要素を追加した点にある。
中小企業では単一事業を手がけるケースも多く、大企業に比べ事業領域の幅が狭い。
一つの商品やサービスが経営に与える影響が大きく、逆に言えば、企業イメージが商品やサービスの売り上げを左右しやすい。
企業がどういう歴史を持ち、いま何に注力し、これから先どんな未来を目指すのか。
その企業の「人格」を明確にするところに、デザイナーが貢献しているケースが多く見られた。
会社の人格を明確にするということについて
新鮮に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし上記にもあるように、
その個性こそが社会における価値につながるのです。
自社のことになると意外と見えづらく、客観的な答えを導きづらいもの。
デザイナーのアプローチを活用してデザイン経営を進める意味は、
客観的な視点を取り込めるところにもあります。
自社の持つ課題に応じた入り口を
人格形成の重要性はここまでお伝えしたとおりですが、
企業の持つ課題は十人十色。
「人格形成」「企業文化の醸成」「価値の創造」のフレームで整理される
9つの要素を組み合わせ、自社なりの入り口をつくっていくことが必要なのです。
企業が有する課題への取り組みは無数に存在する。
どのような取り組みが有効か、またその取り組みの順番も各社各様である。
本レポートでは、先行企業の取り組み方を9つの要素の観点でまとめた「デザイン経営の実践例」を掲載している。
デザイン経営への取り組み方に正しいステップはない。自社の課題を掘り下げ、そこに必要な要素は何かを洗い出す。
その上で、先行企業のケースをもとに、その要素を実践している企業の取り組み方をアレンジし、オリジナルの「デザイン経営レシピ」をつくってみよう。
当社でデザインのお手伝いをさせていただく際も、
まずは「ヒアリング」に注力します。
お客さまが抱えている今の課題は何なのか?
それを把握した上で、取り組み方(入り口)を検討するためです。
併せて、お客様らしさも探っています。その内容が、会社の人格形成の鍵となるためです。
今回は、デザイン経営の入り口について
9つの要素に整理されていることをご紹介しました。
次回は「会社の人格形成」から、以下3つの要素をご紹介していきます。
・意志と情熱を持つ(MISSION)
・歴史や強みを棚卸しする(IDENTITY)
・未来を妄想する(VISION)
中小企業のためのデザイン経営ハンドブック
【Texted by】
ARISA KUSABA( director )
本メディアは、デザインが経営課題を解決する手段であることを経営者の方へ広く知っていただきたいという思いのもと、情報発信を行っています。
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