DESIGN AM

「毎日サウナ東京」のロゴはどう作られたのか?300案以上のスケッチから導く、論理的なロゴデザインプロセス

2026/08/31

「自分たちの想いを、デザイナーにきちんと理解してもらえるだろうか?」
「途中で意見が変わった場合、どこまで対応してもらえるのか?」
「ロゴデザインに費用をかけることで、事業にどのような価値が生まれるのか?」

ロゴの制作を検討する際、このような不安を感じるクライアントさまは少なくありません。

ロゴはデザイナーの感覚だけで作るものではなく、企業や事業の背景や目指す未来を共有し、検証と判断を重ねながら、論理的に組み上げていくものです。

今回は、2026年5月に千葉・幕張に新たにオープンした温浴施設「毎日サウナ東京」さまのロゴ制作事例をご紹介します。
300案以上のラフスケッチと3度の提案を経て、どのように想いを形へと落とし込んだのか、その裏側を公開します。

フェーズ1:事業の「言語化」から始めるヒアリング

ロゴづくりは、色や形を議論する前に「クライアントの頭の中にある想い」を分解・言語化する作業から始まります。

「毎日サウナ東京」は、「サウナ東京」と「毎日サウナ」の強みを掛け合わせ、温浴施設の最高到達点を目指すプロジェクト。

事前にご記入いただいたシートをもとに、支配人へヒアリングを実施。施設やお客様への強い想いをお伺いし、私たちは今回おさえるべき要点を以下のように設定しました。

①圧倒的な進化の表現

2つの人気施設の長所を融合し、既存の枠を突き抜ける存在感。

②ターゲットの包括

10代〜60代、地域住民から観光客まで愛される親しみやすさ。

③カテゴリーを超えるブランド力

単なるサウナ施設に留まらない、長期的なアパレル・グッズ展開への拡張性。


「なぜ取り組むのか」「どこを目指すのか」を出発点として共通言語にしておくことが、一貫した提案を生み出す判断軸となります。

フェーズ2:チームで生み出す300案以上のスケッチ

今回のプロジェクトは4名のチームで取り組みました。

「2つのブランドの融合」や「最高到達点という未来像」など、さまざまな視点からアイデアを広げ、300点を超えるラフスケッチを描きました。最初から限定せず、十分な比較検証を行うためです。

社内ミーティングでは、各自のスケッチをもとに「この形は施設のどの価値を表しているか?」「他の施設と並んだ際、十分な独自性があるか?」など、徹底的に議論しました。

事業との親和性・独自性・拡張性を検証し、見込みのある案に絞り、何度もブラッシュアップ。不採用となった案も含め、この徹底的な検証プロセスで最高の一案を導き出します。

フェーズ3:対話で磨き上げる共創提案

私たちは、ご提案の場を一方的なプレゼンではなく、「率直な意見を交わす対話」にすることを大切にしています。
ご提案には、経営層4名の方にご参加いただきました。デザイン案と考え方を共有することで、単なる好みを超えた建設的な議論を行うことができました。

◾️方向性が決まるまでの流れ
1回目:4つの案をご提示し、それぞれの案や全体に対してフィードバックをいただきました。

2回目:いただいたご意見をもとに、絞り込んだ方向性をご提示しました。

3回目:方向性が決定。形状や線のバランス、文字との組み合わせなど、最終調整を行いました。

[初回のご提案内容はこちら]


打ち合わせでの対話を重ねるごとに、クライアントの想いにより近づくことができたと感じています。
そして今回のロゴは、クライアントの皆さまと一緒に作り上げたものだと実感しています。

[完成したロゴはこちら]


◾️ロゴコンセプト
薪火が生み出す繊細な炎のゆらぎと、空間に立ち昇る心地よい蒸気や湯気をモチーフに、Sauna(サウナ)とSpa(スパ)を表す「S」の文字で象徴的に表現したマークです。

カラーには、力強さと洗練さを兼ね備えた漆黒を採用。「サウナ東京」とのつながりを感じさせながら、さらに進化した新たな施設としての品格と世界観を体現しています。

「サウナ東京」と「毎日サウナ」、2つの施設の魅力を融合させることで、これまでを超える最高峰の温浴体験を生み出す。その最高到達点を目指す意志を込めました。

フェーズ4:ロゴがブランド体験に変わる瞬間

先日、プレオープンとレディースデーにご招待いただき、実際に施設へ伺いました。
外観には、品格と力強さを感じさせる佇まいでロゴが掲げられていて、施設への期待感が一気に高まりました。


館内へ一歩足を踏み入れると、そこには日常から切り離されたような洗練された空間が広がっていて、本当に感動しました!
ロゴは館内の至るところに溶け込んでいて、施設全体の世界観を引き立てていました。

特濃炭酸泉は体の芯からじわじわと温まり、いつまでも入っていられるような心地よさ。薪火サウナではゆらめく炎を眺めながら、柔らかな熱風を浴びるアウフグースという体験もでき、至福の時間でした。個人的には、薬草の香りに包まれたサウナもお気に入りです。

そして、スタッフの皆さまが明るく活き活きと接客されていた姿もとても印象に残っています。
最初のヒアリングでお伺いした「スタッフの成長とチームワーク」への想いが、温かい接客や細やかな配慮につながっていることを深く感じました。



サウナ後、新設の「はなれ」でいただいたラーメンも格別でした。
細部までこだわり抜かれた最高の空間の中で、ロゴがブランド体験の一部として息づいているのを目にし、このプロジェクトをお手伝いできたことに胸が熱くなりました。

最後に:ロゴへの投資がもたらす事業価値

ロゴは単なる「マーク」ではありません。空間やサービス、さまざまな顧客接点に展開され、ブランド体験の一部となって初めて真の価値を発揮します。

ロゴ自体が直接売上を生むわけではありませんが、「選ばれる理由」を明確にし、事業への信頼や期待を育む長期的なブランド資産の土台となります。

「毎日サウナ東京」さまも、ロゴがさまざまな場所に展開されることで、唯一無二の施設の世界観を支える象徴として機能していました。

今回、この素晴らしい施設のロゴづくりをお手伝いさせていただいたことを、スタッフ一同とても嬉しく思っています!「毎日サウナ東京」さまが、これからも多くの方に愛され、さらなる発展をしていくことを心より願っております。


ステップメール「ロゴご発注で失敗しないために。」のバナー

デザインエイエムについて

デザインエイエムは、
・事業や想いの整理
・強みや価値の言語化
・デザインを通じた社内外への伝え方の設計
といった領域を中心に、企業の取組みを支援しています。

まだ課題がはっきりしていなくても問題ありません。
「今の伝え方でいいのか分からない」「何から手をつけるべきか迷っている」
そんな段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。

⇒お問い合わせはこちらから

【Texted by】
平尾 恵梨(デザイナー)

ロゴを中心に、ウェブやパンフレットなど幅広いデザイン制作を担当。お客さまの想いや企業らしさを丁寧にくみ取り、その魅力が伝わるデザインを心がけています。

プロフィールはこちら

RECOMMEND 経営者やご担当者におすすめ