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学校統廃合・新設の「校章デザイン」はどう進める?みんなの想いと歴史をひとつにして、納得を生む制作プロセス

2026/11/04

学校の統廃合や新設、周年の節目で校章を新しくつくることになったとき
「どこに依頼すればいいのか」
「どのような手順で進めるべきか」
と悩む教育委員会や学校関係者の方々は少なくありません。

特に予算検討や構想の初期段階では、一般公募を行うか、専門業者やデザイン会社に依頼するか迷うのではないでしょうか。

校章デザインの制作で大切なのは、
見栄えを整えることだけではありません。

学校の理念や地域の歴史、在校生や卒業生、保護者、地域の方々の想いをくみ取り、新しい伝統のシンボル(根っこ)として形にすることです。

校章はバッジやマークにとどまらず、
学校の過去(歴史)・現在(学び)・未来(願い)をひとつにまとめた、
教育活動の「心の拠りどころ」です。

具体的には、主に以下の4つの役割を担っています。

  • 教育理念や目指す姿の象徴(理念の可視化)
  • 胸に掲げることで育まれる所属感と愛校心(アイデンティティの確立)
  • 世代を超えて学校と地域をつなぐ歴史の継承(地域社会との絆)
  • 社会に対する信頼と責任の標識(公の機関としての誇り)

だからこそ校章づくりでは、表面を飾るだけでなく、関係者全員が誇りを持てるデザインと納得感(合意形成)が欠かせません。

本記事では、関係者全員が納得できる校章をつくるための制作プロセスと、具体的な実績を交えた進め方を解説します。

校章の「デザイン制作」をプロと進める価値

単なるマークにとどまらず「学校の理念」や「将来像」を可視化できる

校章は、学校の第一印象を決める「顔」であり、地域の方々、在校生や卒業生が長年にわたって愛着と誇りを抱くシンボルです。

私たちがデザインを始めるときは、見た目を整える前に、
「どのような教育目標を掲げる学校なのか」
「未来へ向けて子どもたちにどう育ってほしいのか」
といった学校の存在意義や志にあたる根っこの部分を深く掘り下げることから始めます。

学校の理念や将来像という目に見えない価値を、誤解なく伝わるひとつのシンボルにすることで、校章は学校に関わるすべての人々の意識をひとつにする旗印になります。

集まった多様なアイデアや想いを、プロと一緒に整理してひとつの形にまとめられる

学校の統廃合や新設の現場では、
「関係者から校章のアイデアを公募したい」
「旧校の伝統的なモチーフを残したい」
「地域の自然やシンボルを取り入れたい」
といったさまざまな声が集まります。

在校生や卒業生、保護者、地域の方々の声を反映させるのは素晴らしい試みです。

一方で、集まった数百件ものアイデアをどうまとめ、ひとつの形に絞り込むかという合意形成の壁にぶつかるケースも少なくありません。

寄せられたアイデアをそのまま反映させるだけでは、デザインのバランスが崩れたり、校旗や名札などの大小さまざまな制作物に展開した際に視認性が落ちたりすることもあります。

そこで必要になるのが、デザイナー(第三者)としての視点です。

皆さまの間に立ち、集まった想いやアイデアを受け止め、本質的な意味を損なわないよう一緒に整理します。
そして、長年の使用に耐えうる洗練された意匠にまとめるパートナーとして、制作を支えます。

校章デザイン制作はどのように進む?納得感を生む4つのプロセス

私たちは、特許庁に登録されている独自の制作フローに基づき、合意形成を大切にしながら、ひとつずつ校章を形にしていきます。

ステップ1:背景・歴史・目指す学校像のヒアリング

制作の第一歩は、いきなり手を動かすことではなく「聞くこと」です。
学校の設立経緯、旧校の歴史、目指す教育像、地域の特性などを、事前ヒアリングシートと対話を通じて詳しく伺います。

関係者の方から頂いたご意見も、この時点で伺います。そこで、キーワードやモチーフを抽出し、校章として表現すべき核(コンセプト)を探る材料にします。

ヒアリングの様子

ステップ2:数百案のスケッチから見出すデザイン展開と方向性の検証

社内のデザイナー3〜4名がチームを組み、1人あたり100案以上のアイデアスケッチを描き出します。
合計数百案のスケッチの中から、コンセプトに最も合う案を絞り込み、異なる方向性のデザインへとブラッシュアップを重ねます。

ロゴの候補を検討する様子

ステップ3:選考委員会や関係者との対話を通じたブラッシュアップ

ご提案の場では、方向性の異なる複数のデザイン案をお見せします。
一度の提示で終らせず、選考委員会や教育委員会さまからのご意見やご要望を伺いながら、納得いただけるまで対話を重ね、デザインを精査していきます。

提案の様子

ステップ4:校旗・名札・WEBサイトなど多用途に対応するガイドラインの作成

最終デザインが決まったら、ロゴデータと合わせて「ロゴ使用マニュアル(ガイドライン)」を納品します。
校旗の刺繍、制服の名札、金物の設置、印刷物、WEBサイトなど、媒体ごとにブレや意匠の崩れが起きないよう仕様を定め、末永く正しい形でご使用いただける環境を整えます。

ロゴ資料マニュアル(例) ロゴ使用マニュアルイメージ画像

新しい伝統をつくった校章デザインの制作実績事例

事例1:2つの旧校の歴史と児童のアイデアを融合

クライアント名:代々木山谷小学校

代々木山谷小学校校章

東京都渋谷区の旧・代々木小学校と旧・山谷小学校の2校が統合して誕生した「代々木山谷小学校」。
両校の歴史を尊重しつつ、区民や小学生のみなさんから募集したアイデアを整理・抽出しました。さまざまな背景を持つ区民の方々や子どもたちの自由な発想を活かしながら、双方の旧校のモチーフを美しく融合させ、新しい学校の船出にふさわしい新校章に仕上げました。

事例2:3校の統合と瀬戸内海の豊かな自然をモチーフに

クライアント名:松山市立中島小学校

松山市立中島小学校校章

愛媛県松山市の沖合に位置する離島・中島にある3つの小学校が1つに統合された「中島小学校」。
Nakajimaの「N」と「中」、小学校の「小」をベースに、輝く太陽、瀬戸内海に浮かぶ島々、そして町の象徴である「みかんの花(橘)」をモチーフとして組み合わせました。

豊かな自然の中で子どもたちがたくましく、心豊かに育つようにとの願いを込めた校章です。

事例3:生徒のアイデアと探究心を4つのモチーフに

クライアント名:代々木インターナショナルスクール

代々木インターナショナルスクールシンボルマーク

国際的な教育プログラムを取り入れる「代々木インターナショナルスクール」。
生徒のアイデアや想いを取り入れながら制作を進めました。
「本=Academic」「地球=World」「ケヤキ=自然と渋谷区の木」「ハナショウブ(ハート)=思いやりと渋谷区の花」という4つの象徴的なモチーフを調和させ、学校の教育理念を表現したシンボルマークです。

※掲載事例のクライアント名は、敬称を略して記載しています。

予算検討や見積もり依頼の前に整理しておくとスムーズな3つのポイント

教育委員会や行政の担当者の方が、予算申請や概算見積もりの取得をスムーズに進めるために、あらかじめ確認しておくと良いポイントは以下の3点です。

1. 制作のスケジュール(開校・統廃合時期からの逆算)

開校日に合わせるだけでなく、校旗の納品、制服・名札の印刷、校舎の施工手配から逆算したスケジュールを設定することが大切です。

2. 在校生や卒業生、保護者、地域の方々が参加するプロセスの有無

学校内でのアイデア公募や、関係者による選考委員会の設置を行うかどうかで、制作のステップや期間などが変わります。

3. 校章を展開する制作物の整理

校旗、名札、賞状、看板、WEBサイト、記念品など、どの範囲まで校章を展開・活用するかをリストアップしておくと、ガイドライン作成やデータ展開の相談がスムーズになります。

まとめ

校章は、学校の歴史を汲み取り、子どもたちの未来への願いを託すシンボルです。

私たちは、企業のロゴ制作で培った25年以上の実績と特許取得のプロセスを活かし、教育機関や地域の想いを大切にした校章デザイン制作を行っています。

「まだ統合の計画段階でスケジュール感が固まっていない」
「予算検討のために概算の見積もり仕様を確認したい」
「児童のアイデア公募をどう進めればいいか相談したい」

このような段階でも、まずはお話を伺います。 お困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

デザインエイエムについて

デザインエイエムは、
・事業や想いの整理
・強みや価値の言語化
・デザインを通じた社内外への伝え方の設計
といった領域を中心に、企業の取組みを支援しています。

まだ課題がはっきりしていなくても問題ありません。
「今の伝え方でいいのか分からない」「何から手をつけるべきか迷っている」
そんな段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。

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【Texted by】
小倉(ディレクター)

お問い合わせ対応から案件の進行管理、経理、情報発信の業務などを担当。ディレクターとして幅広い業務に携わりながら、迅速かつ丁寧な対応を心がけています。

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