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【派手さより、まっすぐさを。地域と歩む企業の映像づくり】 尾崎建設の採用CM制作を通じて見えたもの

2025/05/26

「知ってもらう」ことから始める採用広報

高知県に本社を構える尾崎建設は、戦前から続く建設会社です。地域に根ざしてインフラ整備に携わり、長く信頼を積み重ねてきました。

そんな尾崎建設が、採用活動を見直す中で選んだ手段のひとつが、地元テレビ局で放映する15秒のCM。
「まずは、地域の若い人たちに会社のことを知ってもらいたい」という想いのもと、デザインエイエムはCM制作のパートナーとして関わらせていただきました。

なぜCMという選択だったのか

私たちはこれまで5年以上にわたり、尾崎建設のロゴや名刺、パンフレット、Webサイトなど、さまざまなツールの企画・制作を通じて、企業の「らしさ」を一緒に探ってきました。

CMという新しいアウトプットも、その延長線にあるものです。
採用における最初のハードルである「認知」を、地域に根づいたテレビという媒体を通じて乗り越えられないか。
そんなお話から、今回の取り組みがスタートしました。

伝えたかったのは、100年という時間ではなく、「姿勢」

尾崎建設は100年企業ですが、それを前面に押し出す構成にはしませんでした。
伝えたかったのは、「続けてきた歴史」そのものよりも、続けてこられた理由にある「企業の姿勢」です。

飾らず、まっすぐに地域の仕事に向き合う姿。
私たちは、それを伝えるために、言葉も映像もなるべく等身大で構成することを意識しました。

言葉と映像に込めた工夫

CMのナレーションを担当したのは、尾崎建設の若手社員さんです。
“企業を代表する声”として、どんなトーンがふさわしいかを社内でも検討し、現場の空気を知る社員の声が最も自然に響くという判断に至りました。

語り口は落ち着いていて、抑揚も控えめ。
映像も、派手なカットや演出は用いず、建設現場で働く人たちの姿をありのまま切り取るような構成にしました。
情報量を詰め込むより、「印象に残る空気」を大切にするという考え方です。

継続的な関係性があったからこそ

私たちは、尾崎建設のブランディングに継続的に関わってきたからこそ、この企業の持つ“言葉になりにくい部分”に注目してきました。

たとえば、社員さん同士のやり取りや、現場での表情、使われている道具の所作のひとつひとつ。
それらが企業の文化であり、強みであることを、時間をかけて体感してきました。

今回のCM制作は、そうした積み重ねの中で自然と出てきた言葉や発想を、15秒という短い時間に凝縮するような作業だったと思います。

おわりに

完成したCMは、派手さはありません。
ですが、尾崎建設がどんな姿勢で仕事に向き合っているかを、実直に、そして確かに伝えるものになったと感じています。

映像をつくることは、自分たちの姿勢を見つめ直すことでもあります。
これからも私たちは、企業の中にある「まっすぐさ」を、無理に飾ることなく、正直なかたちで伝えるお手伝いをしていきたいと思います。




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【Texted by】
ARISA KUSABA(director)

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