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「和歌山一番星アワード」のロゴができるまで

2025/03/10

2025年2⽉4⽇(⽕)、和歌⼭県知事より発表された「和歌⼭⼀番星アワード」。
和歌⼭県が誇る優れた加⼯⾷品や⼯芸品、⽣活雑貨を厳選し、表彰する制度です。
このたび、弊社がネーミングおよびロゴデザインを担当しました。今回は、その誕⽣の背景とロゴデザインのプロセスをご紹介します。

ご依頼の背景

従来の推奨制度「プレミア和歌⼭」では、多くの県産品が認定される⼀⽅で、認定・受賞の特別感が薄れるという課題がありました。
そこで、「和歌⼭県が誇る県産品を全国・世界へ届けたい」という想いのもと、制度の全⾯的な⾒直しが決定。
新たな評価基準や審査フローを取り⼊れ、アワードとしての価値をより明確に伝えるため、ネーミングとロゴデザインの依頼がデザインエイエムに寄せられました。

※制度のコンセプトやプランニングはアイランド株式会社さま (東京都渋⾕区神宮前、代表:粟飯原理咲)が担当。

「和歌⼭⼀番星アワード」という名前に込めた想い

数多くのネーミング案の中から、和歌⼭県と綿密な協議を重ね「和歌⼭⼀番星アワード」に決定。
この名称には、選ばれた県産品だけが認められる称号を「星」で表現すると同時に、企業や商品の可能性を感じさせる意味が込められています。

300案超のスケッチから⽣まれたロゴデザイン

ネーミング決定後、弊社のアートディレクター、ディレクター、デザイナー計7名によるロゴ制作がスタート。
4名のデザイナーが、それぞれ50〜100案のスケッチを作成し、アイデアを出し合いました。

制作プロセスでは、「和歌⼭⼀番星アワードに認定された商品を買いたいと思わせるデザインとは?」 「認定商品の売上向上に貢献できるデザインとは?」といった議論が交わされました。

また、物産展等で⼀⽬で認定商品とわかるデザインの必要性も重視し、アワードらしさを表現しながら、店頭で⼿に取りたくなるようなデザインを追求しました。
さらに、ロゴの使⽤シーンを想定し、以下の3つの要素を意識しました。

  • 認定事業者が誇りを持てるマークであること
  • 品格と信頼感を備えた仕上がりであること
  • ⼀⽬でアワードを象徴するデザインであること

社内でのブラッシュアップを重ねた後、最終的に5案を厳選し、和歌⼭県へ提案。
それぞれのデザインに込めた意味や意図を丁寧にプレゼンテーションしました。

採⽤されたロゴデザイン

最終的に採⽤されたロゴは、「⼀番星」と、頭⽂字「W」と「⼀」を組み合わせた王冠のマーク。
「W」は雄⼤な紀伊⼭地を、「⼀」は和歌⼭県の豊かな⼤地や海を表現しています。
このマークは、栄誉あるアワードであることを⼀⽬で伝えるとともに、選ばれた県産品が和歌⼭の豊かな⾃然の上に輝く⼀番星であることを表現した、品格あるデザインとなっています。
カラーは、和歌⼭県の温暖な気候や豊かな⾃然、朗らかな県⺠性を象徴する温かみのあるオレンジを採⽤。
アワードの未来の発展を感じさせるカラーでもあります。

また、ご提案時のデザインから品格をより際立たせるために、親しみやすい雰囲気の書体から、明朝系の骨格を持つ品格あるゴシック体へ変更。
さらに、王冠マークのサイズを調整し、オレンジの色味をより品格が感じられるよう見直すなど、細部をブラッシュアップし、より洗練された仕上がりとしました。

和歌山県の方からも感激の声と高い評価をいただきました。
このロゴが今後、受賞商品の認定マークとして広く活⽤され、認定された商品が全国、さらには世界へと⽻ばたくことを願っています。

和歌⼭⼀番星アワードのこれから

和歌⼭⼀番星アワードは、2025年7⽉ごろに対象商品の募集を開始し、2026年3⽉ごろまでに最初の認定を⾏う予定です。
また、発信⼒のあるインフルエンサーを活⽤したPR施策を検討されており、認定商品の魅⼒を全国・海外に向けて発信していくとのことでした。
この取り組みが、和歌⼭の誇る魅⼒的な商品とともに、国内外で広く認知されていくことを楽しみにしています。

【Texted by】
KEITA YAMADA( designer )

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