経営を強くするためのDESIGNAM MAGAZINE

【STAFF VOICE】ブランディングと経営はイコール関係。デザインで成長を後押ししサポートできる会社に。

2024/04/26

Interviewee

株式会社デザインエイエム
代表取締役
アートディレクター/
グラフィックデザイナー
溝田 明  AKIRA MIZOTA

周りから「無謀だ」と言われた会社設立当初

坂田デザインエイエムは今年8月で設立25年目に突入します。ホームページには2000年設立(1998年創業)とありますが、1998年からの2年間はどのような時期だったのですか。

溝田 1998年は自分が独立した年ですね。2年弱はフリーのデザイナーとして活動していました。昔から会社を立ち上げたいという思いが強かったので、個人事業主として働くのは今の時期しか出来ないと思って、その2年間は何から何まで自分一人でやっていましたね。

坂田フリーの活動を経て、デザインエイエムを設立されたんですね。

溝田2000年8月1日、有限会社デザインエイエムを立ち上げました。「自分の手で会社を生み出したんだ。」というその時の気持ちは今でも鮮明に覚えています。真夏の暑い日でした。
立ち上げ当初からグラフィックデザイナーとWEBコーダーのスタッフを雇ったので、自分と村上(現取締役)+スタッフ2名の計4名でのスタートでした。

坂田立ち上げた当初からスタッフを雇っていたんですか!?

溝田今考えたらかなり無謀ですよね(笑) 周りからも散々言われました。でも自分の中ではやっていける自信があった。最悪自分の給料を0円にしてもいいと思っていましたからね。

坂田事務所は当初から今の場所(渋谷区富ヶ谷)に?

溝田最初はJRの板橋駅に小さな事務所を構えました。なかなか渋い場所でしょ(笑)
有難いことに仕事もまずますで、2年後には同じ板橋内でもう少し広い事務所を借りました。そのタイミングで有限会社から株式会社に変更しました。

坂田デザインエイエムの原点が板橋にあったとは…

溝田その頃はやればやるほど売上が上がっていきました。それに伴いスタッフも一人増え二人増え…。土日や昼夜関係なく思いきりアクセル踏みっぱなしで働いていましたね。とにかくスタッフの給与が滞ってはいけないし、ボーナスも満額支給してあげたい。そんな思いで毎日本当にがむしゃらに働いていました。

「会社の理念」が明確になった24年間で最大のターニングポイント

溝田会社を作って5,6年後くらいかな。いつものように事務所で一人、深夜を越えて明け方まで仕事をしていたら、突然体調が悪くなって。しばらく横になっていたけど一向に回復せず、むしろどんどん眩暈や動悸がひどくなってきて…。これはさすがにまずいと思い、何とか自分で救急車を呼びました。
原因は過労。当時自分は30代後半だったけど、「これが40代だったら命も危なかったかもしれないよ。二度と働けない身体になってもいいの?」とお医者さんから言われました。

坂田身体からのSOSだったんですね。回復されて本当に良かったです。

溝田自律神経がかなり狂ってしまっていて、元通りになるまで実は大変でした。
自分はどちらかと言うと人に任せるということが不得意で。何もかも自分で背負いすぎてしまっていたんですね。
でも自分がフルに働けない間は周りのスタッフたちが全力でサポートしてくれて、本当に頑張ってくれた。その時のスタッフたちには本当に感謝しています。この経験は今考えても自分の人生の中でもとても大きな出来事でした。

坂田その経験から何か心境に変化はありましたか?

溝田組織のリーダーとして、そもそも自分が倒れたらどうにもならないこと、ここで働いてくれるスタッフたちやお客さまをもっともっと幸せにしなければと以前にも増して強く思うようになりました。
そこで、もともとは自分の名前の頭文字をとって付けた会社名の「AM」を、明るい(A)未来(M)とし、「明るい未来をデザインする会社」という理念を掲げました。

坂田今の理念はそのご経験がきっかけで確立されたのですね。

デザインエイエムが考える「ブランディング」の概念

坂田現在お客さまからはどのような依頼が多いですか?

溝田創業当初からCIやロゴ制作を得意としてきたので、今でもロゴデザインに関する依頼は多いです。2019年から「ブランディング」に舵をきり、より幅広くお客さまのサポートをさせていただくようになってきており、ネーミングやWEB、名刺・封筒といったグラフィック制作、パッケージやムービー、時には店舗デザインも依頼をいただくなど、仕事も多岐に渡っています。


坂田ここ数年でブランディングという言葉が急激に広まった感覚があります。ただ、ブランディングと一口に言っても定義が非常に曖昧です。溝田さんご自身はブランディングをどのように捉えていらっしゃいますか?

溝田「見えない魅力や価値を掘り起こし、見える化させること」ですね。その会社の個性や「らしさ」をデザインで引き出し高めてアウトプットすること、それこそが私たちがサポートできることだと考えています。

坂田とてもイメージしやすくなりました。お客さまにブランディングの提案を行う際、心がけていることはありますか?

溝田お客さまと距離があるものを提案しないこと、ですね。いくら恰好良くても時代の風潮や流行に左右されたり、デザイナー本位のデザインでは決して会社の魅力や価値が表現できるとは思いません。丁寧にヒアリングをしたうえでその会社にしか似合わないものを確実にご提供する。そしてそのデザインがなぜお客さまに合っているのかをしっかりと説明し納得していただく。それはいつも心がけています。

坂田確かに、ヒアリングには相当時間をかけられていますよね。毎回溝田さん自らも足を運んで現地へ視察に行かれています。

溝田そうですね。やはりWebサイトを見ただけでは表面上のことしか分かりません。実際に会社や工場へ足を運び、会社の雰囲気やスタッフの皆さんの働いている姿を見て、直接会話をする。その会社の深いところを観察するためには必要な時間です。

坂田ヒアリングの際はどのようなことをポイントに話を聞いているのですか?

溝田彼らが本当に目指したい先、達成したいことは何なのかを掴もうとしているかな。表面上ではなく根っこの本音の部分を聞き出したい。
自分は「ブランディング」と「経営」はほぼイコール関係だと思っているので、その会社が描く未来像をデザインに反映させたいんですよね。

坂田なるほど。経営とブランディングは直結していると。

溝田そう。だから取材の時は、幼少期のことや創業・代替りのきっかけや思い、現在に至るまでの経緯やご苦労など一見デザインとは関連が無いと思われることも事細かに取材します。自ずとその方の人柄はもちろん考え方が見えてくるので、こちらのご提案もしやすくなります。

坂田そこまで深堀りするのですね。取材時からお客さまとの関係はかなり深まりますね。

溝田時間をかけて取材をしていると「実はね、将来こんなこともやっていきたいんですよ。」とお客さまの方から話してくれることもあります。それが引き出せたらとても良い関係が築けている証拠。有難いことにお客さまから「デザインエイエムさんは聴く力がありますね。」とお褒めの言葉をいただくことも多いです。

坂田「聴く」力。それはデザインエイエムの強みかもしれないですね。

深い信頼関係を築いたスタッフ・お客さまとともに明るい未来へ

坂田今のデザインエイエムは溝田さんから見ていかがですか?

溝田オフィスを構える富ヶ谷は都会ながらも自然溢れる環境。スタッフたちも全員気が良く、お客さまからも人柄を褒めてもらえることが多くあります。とても良い状態で仕事ができていると思います。


坂田確かにデザインエイエムのスタッフは柔らかい印象のスタッフばかりです。

溝田そうですね。縁があって集まってきてくれた仲間ですから、これからも「ここで働いてよかった」と思ってもらえる環境を提供したいし、頑張りをしっかりと評価し還元できる会社にもっともっとしていきたい。

坂田お客さまとの関係はいかがでしょうか?

溝田一度ご依頼をいただいたお客さまからコンスタントにご相談いただくことが多く、大変ありがたいですね。長い方ではもう20年以上お付き合いが続いている会社さんもいらっしゃいます。
最近お付き合いが始まった会社さんも、向上心があり常に自分自身をアップデートされている経営者の方も多く、こちらも刺激をいただきながら一緒に仕事ができています。

坂田それは素晴らしいですね。お客さまとの信頼関係を感じます。

溝田極端な話、薄い関係のクライアントが200社あるより、がっちりと信頼関係を築いたお客さまが20社いらっしゃる方が価値があると思っています。
そんなお客さまを少しずつ増やし、長い時間をかけてお客さまと明るい未来に向けて一緒に歩んでいきたいですね。

坂田お客さまとの長期的な関係を目指されているのですね。

溝田そうですね。お客さまの成長を後押しし、サポートできる会社にもっとしていきたい。正直うちの会社はまだまだ可能性があると思っているので。1の魅力を5にも10にもできる会社を目指しています。
そして、今後はデザインエイエムを見つけてもらう活動にもさらに力を入れていきたいですね。ブランディングを必要としていて、誠実に頑張っている会社は全国に必ずあるはずなので。

坂田そうですね!私も日々の情報発信を頑張りたいと思います。あ、溝田さん。PRの一環として、もっと頻繁にSNSの更新もお願いしまーす!(笑)

溝田が、頑張りますー…(汗)

溝田の詳しいプロフィールはこちらからご覧いただけます。

編集後記

記念すべき第一弾の「STAFF VOICE」はいかがでしたでしょうか?
現状に満足することなく常に上を目指し、ご自身のブラッシュアップを欠かさない真摯な姿勢に大変感銘を受けました。
次回は取締役兼プロデューサーである村上敦子さんのインタビューをお届けします。ぜひお楽しみに!

【Texted by】MEI SAKATA(PR)

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