【デザインエイエム出張授業】横浜市内の小学校での取り組みレポート
2024/11/29
2024年9月、横浜市内の小学校で、自分のロゴをデザインするワークショップ「はじめてのロゴデザイン」を開催しました。
「はじめてのロゴデザイン」は、私たちが小学生を対象に行っている出張授業です。
普段何気なく目にするロゴやシンボルマーク。
その色や形には、一つひとつ意味が込められていて、デザインとは人の想いや魅力を一瞬で伝えるもの。
そんなことを体験を通じて、子どもたちに少しでも知ってもらえたらという思いで、私たちはこの授業を続けています。
「どうしてこの色の組み合わせなのだろう?」
「この形は何を表しているのだろう?」
そんな小さな発見や気づきが、彼らの中に少しずつ積み重なっていけば、いつかデザインに興味を持ち、その道に進みたいと思ってくれる子が現れるかもしれない。
そんな未来を想像しながら、今回で4回目の開催となる出張授業へと向かいました。
横浜市内の小学校へ
集合場所は小学校のある最寄り駅。
そこから、初めての参加となる新メンバーも加えた4人で小学校へ向かいました。
道中は、これまでの授業での出来事や、今回教える4年生の子どもたちのことなど、話に花が咲きました。
楽しみと、少しの不安が入り混じり、学校に到着したのは予定より10分も早い時間。
少し緊張した面持ちで校門前に立ちながら、これから始まる授業への期待を膨らませていました。
授業準備
授業が始まるのは3、4時間目。
開始の約1時間前に使用する教室に入り、スライドの確認や資料配布、最終の打ち合わせなどの準備を行います。
そんな中、20分休みのチャイムが鳴り、外を見ると、子どもたちが元気にグラウンドで遊ぶ姿が目に入ってきました。
大人から見ると「あと20分しかない」ですが、子どもたちは「まだ20分もある!」と感じているんだろうなと、久しぶりにその時間の感覚に懐かしさを覚えました。
遊び疲れて教室に戻ってくるのかな、と思っていると、なんと授業の10分前には子どもたちが元気いっぱいに教室へやってきました。
「こんにちは!」などと大きな声であいさつする姿に、私たちも自然と笑顔になり、授業がますます楽しみになりました。
デザインの授業
今回の授業は、通常の教室2つ分ほどの広さがある多目的教室で、31名の子どもたちに行いました。
参加した子どもたちは、総合の時間に「ロゴを作る授業」を既に経験しており、夏休みには自分でロゴについて調べたりしてきたため、基本的なロゴの知識を持っているとのこと。
そこで今回は、さらに一歩踏み込んだ内容を盛り込み、弊社のロゴ事例を通じて「ロゴに込められた想い」についてお話しました。
「このロゴは、お客様のこんなご要望を叶えるために、こんな想いを込めて作りました」と紹介しながら、ロゴを通して想いを表現する大切さを伝えました。
子どもたちはもちろん、先生方も熱心に耳を傾けてくださりました。
自分たちが日々携わっているデザインの仕事を、こうして興味を持って聞いてもらえることに、私たちも手応えを感じ、やってよかったなと思える瞬間でした。
ワークショップ
座学が終わり、いよいよロゴをデザインするワークショップがスタート。
今回も、子どもたちには宿題として、お父さんやお母さんから名前に込められた想いを聞いてきてもらうようお願いしました。
その想いを用いて自分のロゴを作り、最終的には缶バッチに仕上げます。
これまでの経験から、高学年になるほどデザインに悩んで手が止まりがちになるため、今回もみんなで積極的に声をかけるよう心がけました。
しかし、最初は「どうやって自分を表現したロゴを作ればいいのだろう?」と悩む子が多く、手を止めている様子が見られました。
そんな中、ある一人の先生が、頭文字「T」と「K」を使ってロゴを完成させ、自身で缶バッチにして披露してくれました。
たちまち子どもたちが集まり、先生のロゴを興味津々に眺める姿に、教室全体が活気づきました。
先生のロゴが良い刺激になったようで、次第に子どもたちも手を動かし始め、あちらこちらでロゴが形作られていきました。
デザインの過程は子どもたちそれぞれ異なり、見ていてとても面白かったです。
ひとつのロゴをじっくり丁寧に作り込む子もいれば、数多くのロゴを描きながら「これだ!」と思えるものを探し出す子もいました。
実は弊社のロゴ制作も、数百案を検討し、そこから最も優れたものを選ぶというやり方です。
その意味で、子どもたちにも「たくさんのアイデアを出して最適なものを選ぶ」という私たちの流儀に自然と触れてくれたのかなと感じました。
エイエムイズムが少しでも伝わったならうれしい限りです。
そして、最初の心配とは裏腹に、時間内にほぼ全員が個性あふれる素晴らしいロゴを完成させました。
その後、各自のロゴを発表してもらいました。
悩んだ分、みんなそれぞれロゴに込めた想いを熱心に語り、自信を持って発表する姿が印象的でした。
授業の終わりには、「楽しかった!」「また来てね!」などの言葉をいただき、この授業を通じて、子どもたちがデザインの楽しさや、ロゴに想いを込めることの大切さを学んでくれたことを嬉しく思います。
今後の総合の授業でも、ロゴデザインが行われるとのことでしたので、彼らの成長を見守りたいと感じたワークショップでした。
参加したスタッフの感想
今回、はじめて出張授業に参加したデザイナーの安武と、WEB担当の藤澤から一言ずつ感想をご紹介します。
安武 千尋 ( designer )
私自身、小学5年生と2年生の子どもがいるので、生徒たちをお友達のように感じながら楽しい時間となりました。
ロゴを作るという授業ですが、人の想いや願いと自分とのつながりを考えるというテーマ。
想いという形のないものを描くことに悩み、分からないと言いながらも手を動かす中で発見があったり、目の前で成長していく様子はとてもワクワクさせられました。
藤澤 彩乃 ( web )
はじめて参加させていただきましたが、元気いっぱいの子どもたちが、自由な発想でそれぞれのロゴを悩みながらも完成させていく姿に、私自身たくさんの学びを得ることができました。
普段PCに向かっている時間が長い日々ですが、とても新鮮で充実した時間となりました!
【Texted by】
山田 啓太 ( designer )