中小企業 仕事のヒント「第3回 「企業理念」ってありますか?」
2021/03/25
第3回目は「企業理念」についてです。
企業には、理念(事業・計画などの根底にある根本的な考え方)、それに紐づくビジョン(展望)、ミッション「誰に対して何をなすべきか」といったものがあります。
商品やサービスであれば、<理念>ほど大袈裟なものではなくても、
「社会や生活者にとってどのような意味や意義をもっているのか」というコンセプトのようなものかもしれません。
コロナ禍の中、この大義はますます求められてくる傾向にあると言えるかもしれません。
なぜならばそれが他社との差別化にもつながるからです。
この <理念>について改めて考えてみたことはあるでしょうか。
「大手企業のもので中小企業や小さな事業にはあまり関係ないのではないか」
「理念が大切だと言われているのは知っているけれどなかなか真剣に考えるまでには至っていない」
時には「確かあったけれど何だっけ?」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身は、大学院でMBA(経営学修士)のエッセンスを学ぶようになり
さまざまな企業の事例を目にする機会が増え、この企業理念に対する見方が大きく変わりました。
なぜならば企業として、従業員として、仕事に取り組む上で指針となるからです。
そこに企業の大小は関係なく、ひとりひとりの仕事に向かう姿勢に変わりはありません。
こんなお話しをきいたことがあるでしょうか。
理念やビジョンが大切だという象徴のような例え話しです。
旅人がある町を歩いていると、
石垣を積んでいる職人3人と出会いました。
旅人は、1人目の職人に「何をしているのか」尋ねると、
職人は「見ればわかるだろう。飯を食うために石を積んでいるんだよ。」とぶっきらぼうに答えた。
旅人は、2人目の職人にも尋ねた。
「石垣を積んでお城を造っているんだよ。よくわからないが立派な城らしい」と答えた。
旅人は、3人目の職人にも同じ質問をしてみた。
「石垣を積んで立派なお城を造っているんだ。
この国の人々が未来永劫平和に暮らせる世の中になるためのお城づくりの一役を担っているのさ。」と答えた。
仕上がりは3人目の職人の完成度が一番高かったことは言うまでもありません。
同じ仕事でも「どんな理念・ビジョンで仕事をするのか」によってモチベーションや結果に差が出てくるということです。
「レンガを積むだけ」の職人よりも「この国の人々が未来永劫平和に暮らせる世の中になるため」に働く職人に、大多数の方は依頼したいと思うのではないでしょうか。
そして共に働く仲間と理念を共有する。心をひとつにして仕事に臨む。
又、社外に理念やビジョンを発信していくことは大切です。
共感していただくことができれば、単なる購入者ではなく、ファン即ち応援をしてもらうことに繋がるのです。
またこの理念をもとに、新規事業を検討する際なども業務内容を精査する軸になるかと思います。
より理解を深めるために、いくつかの企業理念の事例をみていきましょう。
●スターバックスコーヒージャパン株式会社
ミッション:
「人々の心を豊かで活力あるものにするために-
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつの コミュニティから」
●ハーゲンダッツジャパン
わたしたちは、
「お客様の期待を超えるフローズンデザートを提供することにより、
お客様に喜びと感動(ハーゲンダッツ・モーメント)を
提供し続ける」ことを使命として企業活動を行っています。
そのための哲学ともいえる企業理念が
「Dedicated to Perfection(完璧を目指す)」です。
それぞれの企業が成長し続けている理由がわかる気がしますね。
ぜひご自分の会社の企業理念に着目してみてください。
もし現在あるならば、方向性の確認、点検を。
なければこれを機に考えてみてはいかがでしょうか。
そして継続して社内に浸透させることを忘れずに…。
(社内浸透については次回でご紹介します)
また他の企業やお店の理念を調べてみると新たな魅力の発見になるかもしれませんよ。
【Texted by】
ATSUKO MURAKAMI( director )
日本大学通信教育学部 商学部卒業。
現在の研究テーマは「中小企業論」「ブランディング戦略論」、「組織論」中央大学ビジネススクール(CBS)履修中。
本メディアは、デザインが経営課題を解決する手段であることを経営者の方へ広く知っていただきたいという思いのもと、情報発信を行っています。
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