【デザインのこぼれ話】大人の居場所づくりを大切にする会員制のBAR「Bar Lilly」ロゴ
2025/04/07

デザインには、見えない「こぼれ話」がある。
クライアントの想いを形にする過程で、デザイナーは何を考え、どんな工夫をしているのか?
実績紹介では語りきれない、その裏側に迫るのが「デザインのこぼれ話」です。
普段は語られない制作の裏側を、デザイナーの視点からお届けします。仕上がったデザインが、もっと面白く見えてくるかもしれません。
銀座8丁目並木通りにある会員制のBAR「Bar Lilly」

ロゴは、柔らかなラインで、ゆりの花と文字をオリジナルで描いたデザイン。
ゆりの花の雄しべの部分に文字「Lilly」を忍ばせており、気づく人が気づき、コミュニケーションが生まれる一つの遊びの要素に。上質でありながら、くつろぎの空間に映える表現をしています。
(ロゴ実績はこちらから)
担当デザイナー

株式会社デザインエイエム
アートディレクター/グラフィックデザイナー
溝田 明 AKIRA MIZOTA
—デザイナーとして参加するのは珍しいですね。なぜ今回は参加に至ったのでしょうか?
今回は、お客さまからも「百合」を入れたいというご希望がありました。決まったモチーフがある中でどれだけ多くの方向性を探れるか。制約がある分、やはり通常よりも難しかったです。
普段はアートディレクターとして、複数のデザイナーの数百点のアイディアや提案の方向を調整する立場ですが、進行する中で全体の案のバランスを見ながら、自分のアイディアも追加することを決めました。
—ロゴ制作のアプローチについて教えてください。アイディアスケッチをあえて描かないこともあると聞きました。
そうですね。もちろん若いころはたくさんのアイディアスケッチを描いて試行錯誤していました。
30年以上のキャリアがある今では、ほぼ頭の中でできあがっていることも多く、いくつか思い浮かんだ案の中から、数日経っても良いと思うのものだけを形にしていきます。ただ、客観的に確認して下絵にするためのスケッチは描きます。
—スケッチを見せて下さい!


こんな感じで…百合の持つ優美な印象を最大限に活かしたかったので、直線ではなく曲線を意識し、特長である花びらの先がくるりと巻くような表現を探りました。雄しべの部分に「Lilly」を取り入れるアイディアも、この時点で生まれていました。
—こだわりのポイントを教えてください。
一番のこだわりは、雄しべの部分に隠された「Lilly」の文字です。
バーという空間では、ちょっとした会話のきっかけが生まれることが大切。このロゴが、お店のスタッフとお客さま、またはお客さま同士の会話の種になればと思っています。「このロゴ、実はLillyって文字が小さく入ってるんですよね~」と話せるような、そんな遊び心を込めました。
おわりに
私たちは、ただ「見た目が良い」デザインをつくるのではなく、使われる場所やシーンに寄り添い、企業やサービス・商品の価値を高めるデザインを心がけています。
デザインの背景を知ることで、ロゴに込められた意図やこだわりをより深く感じていただけたら幸いです。
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【Texted by】MIZUHO OGURA(director)