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「導入企業に聞く!中小企業ブランディングのリアル」 開催事後レポート

2024/10/23

2024年9月4日、外苑前アイランドスタジオにてコロナ後初となるオフラインイベント「中小企業ブランディングのリアル」を開催しました。

「ブランディングってどんなことをするの?」
「実際に導入している企業の話を聞いてみたい。」

日ごろお客さまより多くいただくこのような声にお応えするべく、今回のイベント開催が決定。デザインエイエムの顧客さまやそのご紹介で集まった20社30名ほどの皆さまにご参加いただきました。

ゲストスピーカーとしてお招きしたのは株式会社赤堀パッキング 代表取締役社長の赤堀 仁さま。東京に本社を構え、工業用ゴムの加工・製品製造販売などを行う同社。デザインエイエムが1年ほど前からロゴをはじめとする会社全体のブランディングを担当させていただいています。

トークセッションでは現在進行形で進むブランディングの様子を存分に語っていただきました。

ブランディングは一本の木 デザインは「根っこ」を表面化させる役目

まずはディレクターの草場から「デザインエイエムが考えるブランディング」についてご説明させていただきました。

私たちはブランディングを一本の木であると考えます。
まずは会社の理念や価値観、見据えるビジョンといった表面化していない「根っこ」の部分を深堀りすることから始め、それに基づいた戦略を立てることで太い「幹」を伸ばし、最終的な「枝葉」としてデザインをご提供する。
ブランディングというと、どうしても表面化されているデザインに目がいきがちですが、デザインはあくまで中身があってこそ。
「表面を飾るもの」「見た目をかっこよく、おしゃれにするもの」ではありません。
根っこにある会社の理念や価値観、ビジョンを含めたその企業“らしさ”を理解し、それに基づいて戦略を立て、最終的にデザインに落とし込む。
つまりデザインは、表面化していない企業のアイデンティティを見える化するための一つの手段なのです。

こうして「根っこ」「幹」「枝葉」をしっかりと構築したうえで、どこをとっても統一されたイメージのコミュニケーションが取れている。それこそが理想のブランディングであると私たちは考えています。

僕は人に信用が無かったら商売はしないです

草場のプレゼンテーションの後、いよいよ赤堀氏と溝田のトークセッションがスタートしました。

両氏の話に熱心に耳を傾ける参加者の皆さま

2人の出会いは、赤堀氏が登壇したセミナーに溝田が参加したことがきっかけ。中には涙ぐむ方もいたほど熱意ある赤堀氏の講演を聞いた溝田は、赤堀氏の人間性に強く惹かれたと同時に会社として非常に高いポテンシャルを感じたと言います。
デザインを取り入れれば、この会社はもっともっと成長できるー。
そう確信し名刺交換のあと、普段は自ら声をかけることが滅多に無いという溝田が赤堀氏に声をかけ、何度か食事の機会を設けました。

あらゆる話を交わす中で意気投合した二人。
赤堀氏はこれまで経営に携わって16年間コンサルティングなどを入れた経験がなく、当初ブランディング導入には慎重な姿勢だったそう。
ですが、ちょうど新規問い合わせ件数が伸び悩んでおりホームページの改修を検討していたタイミングであったこと、何よりコミュニケーションを深めていく中で溝田の揺るぎない熱意に心を動かされ、少しずつ気持ちに変化がー。
「企業も個人も信用が大切。人に信用が無かったら僕は絶対に商売はしないですね。」こう語る赤堀氏。

溝田の実直な人柄や熱意、何よりもクライアントの利益を最優先に考える姿勢に心を動かされ、2023年7月よりホームページの改修をはじめとする企業全体のブランディングをデザインエイエムへご依頼いただきました。

(左) 弊社代表 溝田 明 (右) 株式会社赤堀パッキング社長 赤堀 仁氏

ブランディングの核心=企業の”らしさ”を引き出すこと

ブランディングの第一歩として行ったのは、会社の中身を深く掘り下げるワークショップ。
草場のプレゼンテーションで紹介した「根っこ」の部分を全員が理解する作業です。

赤堀パッキングさまのスタッフとデザインエイエムのデザイナーが一同に介し、あらゆる角度からの質問と回答を机の上に並べ、議論を交わしながら会社の価値観や目指す方向、独自の強みや個性を探り出します。
質問の中には「もし会社を動物に例えるなら?」「楽器で表すなら何?どんな音を奏でる?」といったユニークなものも含まれていたとか。

「この工程が自社を改めて客観的に見る良い機会になりましたね。新たな発見もあって非常に面白い作業でした。」と赤堀氏は振り返ります。
このようなプロセスを積み重ね、段々と会社の「らしさ」や「個性」を全員で明確にしていきました。

赤堀パッキングを表現した言葉がずらりと並ぶ

次に取り掛かったのは「ロゴデザイン」の刷新。
デザイナーが考案した実に400にものぼるデザインスケッチ案の中から、まずはデザインエイエム社内で何度もディスカッションを重ね、赤堀パッキングさまらしさを表現したロゴデザインを厳選していきます。

最終的に出揃った6つのデザインを溝田自らが赤堀氏にプレゼンテーション。
その中から決定したのは、創業当初のロゴにも用いられていた菱形をモチーフにした力強いロゴ。
会社の歴史や伝統を重んじながら、赤堀氏やスタッフの熱い思いや挑戦を恐れない姿勢を表現したデザインです。

赤堀パッキングさまは赤堀氏のお父様の代から50年以上続く歴史のある会社。ゆえにブランディング導入当初は先代の思いがこもったロゴデザインを変えることに戸惑いの気持ちもあったそう。ですが、「気持ちも新たになり、今は変えて本当に良かったと思います。すでに新しいロゴの方が愛着がありますね。」と赤堀氏は語りました。

続いて取り掛かったのはタグラインの制作。タグラインとはその会社を端的に分かりやすく表現する言葉、いわばその会社のキャッチコピーのようなものです。
タグライン制作においても、最初に行ったワークショップで導き出した会社のアイデンティティを落とし込んでいきます。

「タグラインは一生付き合っていく言葉。だからこそ何度も何度も議論しましたね。」
そう語る赤堀氏が数多くの候補から選んだのは「GO! MOVE!ゴム加工で、世界を熱くする。」。
アグレッシブな企業姿勢を表現するとともに、自社が扱う「ゴム」の響きが入り遊び心も兼ね備えた、なんとも赤堀パッキングさまらしい大変印象的でユニークな言葉が採用されました。

こうして一緒にたくさんの議論を重ねながらロゴデザイン、タグライン、自社ホームページと少しずつ形にし、共に木を大きく育てている最中の赤堀氏と溝田。

課題である新規問い合わせの件数の改善にも大きな期待を寄せていると言います。
「ホームページは24時間働いてくれる営業マンのようなものです。内容の充実度で会社の良し悪しが判断されてしまう時代。まだまだ公開されたばかりですが、これからアクセス状況を見ながら分析と改善を重ねて、ビジネスに繋げられるより強いホームページを作って行きたいですね。」と意気込む赤堀氏。
ブランディング導入についても
「スタッフと相談しながら一から作り上げる作業も多かったので、よりコミュニケーションが深まりましたね。スタッフにとっても、自分が関わったものが形になることで自信やモチベーションに繋がっていて、組織の活性化という意味でも大きな意味があったと思います。」と導入後の変化を振り返りました。

溝田も「やっとスタートラインに立てた感覚。これから定点観察をしながらブラッシュアップしつつ、コミュニケーションツールをもっともっと増やしていきたいですね。今は一緒にtoC向けの商品開発の話も進めているので、ぜひ楽しみにしていてほしいですね。」と今後の展望を語りました。

こうして約1時間のトークセッションはあっという間に終了。
参加者の皆さまは、導入企業である赤堀氏の正直でリアルな声に熱心に耳を傾け、2人の言葉をメモに書き留めている方の姿も多く見受けられました。

二部の懇親会は活発な意見交換の場に

イベントの第二部は登壇者、参加者全員を交えての懇親会を実施。
初めて顔を合わせる方同士が多いなか、情報交換やお互いの課題や悩みを共有し合う姿が各所で見られ、盛会のうちにイベントは無事終了しました。

開催後のアンケートでは
「実際に取り組まれた際の熱意を共有いただけて大変有意義な時間だった。」
「導入に至るまでのきっかけやその後の期待できる効果等も聞くことができて良かった。リアルが共感につながり参考になった。」
「普段の生活・仕事の中ではおよそかかわることができない異業種・分野における情熱を持った素敵な方々と出会うことができた。」
といった嬉しいお声を多数頂戴しました。

今回のイベントを通して学びや気付きのきっかけをご提供できたことはもちろん、参加者同士の出会いや縁を繋げることができ大変有意義なイベントとなりました。

二部・懇親会の様子

デザインエイエムでは、今後もこのようなお客様からの生の声をお届けするオフラインイベントを随時開催予定です。
ホームページにて最新情報を更新しておりますので、ぜひご確認いただけましたら幸いです!

ご参加の皆さまと記念の集合写真 ご参加の皆さまと記念の集合写真

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